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女性転職の裏常識?42歳が28歳に勝てる理由とは?

都内の不動産会社で採用業務を担当して早8年、ベティコです。

以前「正社員になりたいママに告ぐ!22歳より44歳が採用されるケースが結構ある件」という記事を書きました。「そうは言っても、20代後半の女性がいたら、40代の女性は勝てないでですよね?」と思っているアナタ、そうでもないんですよ?

女性事務職を選ぶ時、中小企業が一番怖いこと

日本の会社の99%は中小企業です。社員100名以下の会社が、女性の採用をする時に一番心配なこと、一番怖いことは何でしょうか。

それは「採用した女性が入社して1年やそこらで妊娠したらどうしよう」ということです。

一昔前とは異なり、結婚しても出産しても女性が働き続けるという時代になりました。それ自体はとても良いことだと思います。実際私も子供を育てながら正社員としてフルタイムで働いていますし、私の後輩の女の子も数カ月後に出産を控えており産休・育休を取る予定でいます。

私の後輩女子はもう5年以上勤務していて、もう充分会社に貢献し真面目に仕事をする人だと分かってますから、会社としても特に不満はないです。

私も子供の急病で遅刻した時など彼女に助けてもらいましたから、今度は私が支える番だと思っていて、彼女の育児休暇中はバイトでも入れながら待つつもりです。

ですがもし、この彼女が入社して1年ちょっとで「妊娠しました」と言い出したらどうだったでしょうか。

口には出さずとも「え~!?マジで?」という反応だったと思います。1年働いてやっと仕事を覚えてこれからっていうときに…というのが周りの社員の本音です。

しかも、出産を機に自ら退職してくれればまだいいですが、本人が辞めると言わない限り、妊娠を理由に退職させることは出来ません。

妊娠したので、産休と育休を取りたいです。出産後はまた復職して働きたいです。

本人がそう言うなら、会社は彼女を待つことになります。もちろんそれは、労働者に認められた権利です。

ただ、1年ちょっとしか勤務していない女性、仕事が出来る人なのかまだ判断がつかないような女性、赤ちゃんを産んだあと保育園が決まるか分からない女性を1年程度待つ、というのは社員数が多くない中小企業にとっては、ものすごく負担です。

そもそも人数が少ないので、異動や配置換えで人をやりくりするにも限界があります。出来ればそういう人は採用したくないというのが本音なんですよね。。。

女性の産休・育休によって崩壊!非常に難しい問題。

ちょっと話はそれますが、昔うちの娘が通っていた保育園の話をさせてください。女性正社員の産休・育休によって組織が崩壊した、とても分かりやすい例です。

その保育園は認可保育園でしたが、私立の小さい保育園で、園児が1学年15人前後でした。当初、保育園を支えていたのは20代の女性保育士(正社員)たちで、彼女たちがクラス担任として活躍し、早朝や夜間の部分をパート保育士が補うというシフトで毎日が回っていました。

ところがある時期、20代の女性保育士が3人ほど次々に結婚&妊娠し、産休に入っていったんです。園長先生は「うちは保育園なんだから、保育士も子育てをしながら働ける環境を作らなくては」とおっしゃいました。確かにその通りです。

そんなわけで彼女たちが戻って来るのを待つことになりましたが、問題はここからでした。

クラス担任(正社員)が軒並みいなくなってしまいました。でもここで正社員を採用するわけにはいきませんよね、育休中の正社員たちがいずれ戻ってくるわけですから。数年後に正社員の数が2倍になってしまったら、経営を圧迫します。

そこでパート保育士を新たに採用しましたが、その人たちは次第に不満を持つようになりました。すごく分かる気がします。

正社員と同じ仕事(クラス担任)を一生懸命やっているのに、契約社員だからボーナスが出ないなんて納得できない。

しかも育休中の正社員が戻ってきたら私はお払い箱になるんでしょ?私何のために頑張ってるの?

このように不満がつのった契約社員の保育士さんたちが続々と辞めていき、保育園は毎日のシフトを回すだけで大変!という状態になりました。そして産休・育休を取っていた正社員たちの中には一年経っても戻って来ない人がいました。

赤ちゃんが保育園に入れなかったからです。

預け先がないから職場復帰できない。育休をもう半年延長してほしいという事態に。

これが小規模保育園ではなく、市内にいくつも園がある大型保育園だったら、異動などで人のやりくりをすることも可能だったかもしれません。

でも、数十人規模の中小企業で、産休・育休の女性社員を抱えるのって大変なことです。そして日本の企業の9割は中小企業です。

28歳女性はいつ妊娠するか分からない

話を女性の転職の件に戻しましょう。20代後半の女性は、はっきりいっていつ結婚するか妊娠するか分かりません。

それって本人すら分かってません!笑

付き合っている彼氏にクリスマスに思いがけずプロポーズされ、年末年始で実家に挨拶に行き、年明けに入籍して、年内に出産…なんてことが本当に起こります。でもその年頃の女の子ってそういうものですよね?自分自身を思い返してみても、あのあたりの1~2年で人生激変しました。

私は20代後半の女性を非難したいわけではありません。自分自身もそうでしたし、女性には避けて通れない時期だと思います。仕事だけが人生ではありませんし、全く職場に迷惑をかけずに出産し復帰するなんて、そっちの方が難しい。それは仕方ない部分が大きいです。

そういうことではなく、私がここで言いたいのは、中小企業の面接官にとって、「20代後半から30代前半の女性=1年後どうなっているか全然分からない人たち」という認識だということです。

そして面接で、28歳の独身女性に「彼氏いますか?」「結婚のご予定は?」なんて聞けませんし、30歳で既婚子供なしの女性に「お子さんの予定は?」なんて聞くこともできません。

もちろん、この年頃の人がみんなそうというわけではなく、個人差はあるのは面接官も分かっていますが、「アラサー女性を採用するのは危険もある」という認識が、正直言って会社側にはあります。

ですから、他の能力がほぼ同じなら、リスクが少ない方、20代後半女性よりも40代女性を採用するというケースが、意外とあるんですよ。

女性は若くないと採用されない…と世の中では当然のように言われていますが、そんな単純なことではありません。もちろん会社の雰囲気や方針にも左右されますが、アラフォー世代で転職を目指している方も明るい気持ちで頑張ってください。

…と、ここまで長々と書いておいてなんですが、実はウチの会社で20代後半と30代前半の女性を採用したことがあります。

上記の理由があるのに、なぜうちの会社はその二人を採用したのか。その二人にはある共通点がありました。長くなりましたので続きはまた!→こちらに書きました

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