先日、取引先のAさんとの雑談で、「ウチの子を薬剤師に!」計画で盛り上がりました。取引先のAさんは広告代理店の営業マンで小学生の男女のお子さんがいます。子どもの将来について雑談しているうちに、女の子は薬剤師が一番良さそうだという話になりました(笑)
日本全国どこでも働けるし、産後復帰できる、給料がいい、短い時間でも働ける…何とかして、ウチの子を薬剤師に!とAさん。そんな話をしながら私が強烈に後悔したのは、自分の学生時代についてでした。
「その後」について全く考えていなかった
私は高校時代、本当に何も考えていませんでした。周りがみんな大学に行くので、私は何の疑問も持たず偏差値競争に参加しました。古典や史学が好きだったので、大学の文系学部に入りました。大学は好きなことを勉強するところだと思っていたので、卒業後、自分がどうなりたいのか、考えたこともなかった。会社員になるんだろうとさえ思っていなかったです。あの時の私にこういう助言があったらと、痛感します。
それぞれのスポーツがどのレベルでどのくらいの収入が得られて企業やプロの待遇やその後の生活をどんな選択肢で行えるか、なんで中学や高校、ましてや大学で教えないんだろう。。そんな事も知らずにスポーツに中高大の10年を費やす無計画はダメ。。アスリートはもっと知るべきだし大人も学ぶべき。。
— 武井壮 (@sosotakei) 2015年11月4日
勉強もスポーツも、それを極めるだけで必要とされる人になれるのは、極わずか。好きだからって何も考えずやってていいのか?武井さんは陸上の日本最高記録を持っているのに、それでも食べていけませんでした。そこから必要とされるための努力を重ねて、今の仕事につながっているわけです。
娘10歳に必ず教えたい、大切な視点
娘10歳に「好きなことで食べられるのは一握りだから諦めろ」と言いたいわけではありません。単に好きなことを追究するだけではダメで、好きなこと、得意なことで、誰かの役に立ち、お金をもらうにはどうすればいいか。これを意識しながら努力を積めと、娘に言いたいのです。
人から、世の中から、必要とされること。その期待にこたえること、役に立つことで、対価としてお金がもらえて生活できるんだよと、そこを教えたいです。
例えば、絵が好きだからと修行して、自分の思うままに絵を描いて、食べられる人はごくわずか。だから絵の道は諦めろ…とは言わない。言わないけど、その特技をどう生かしたら、人に喜んでもらえるのか、
仕事として成立するのか。そのために何をすべきかを考えることは大切ですよね。
好きな絵を描くだけで必要とされる画家になれるなら、それはそれで幸せです。でも、それがダメだった場合、図工の先生になるなら、絵の技術そのものだけじゃなく、どう指導したら生徒が伸びるか指導法も学ぼうとかってことになると思うし、似顔絵描くなら、漫画家になるなら、絵本作家になるなら…自分の頭で考えていかなくちゃいけないと思います。
子どものために?あなたは薬剤師をすすめますか?
私と娘は別の人。好きな本、食べ物、服、全然違う別の人です。娘10歳は、彼女の考えた道を行って、彼女の人生を生きてほしいと思います。私が失敗したから文学部に行くな!とか、何とかして薬剤師に!…とは思いません(笑)。
そもそも薬学って、結構大変な道のりです。私の高校の同級生も薬学部に進学して、何人かリタイア。本人の強い興味、または強い意志がないと頑張れません。
取引先のAさんは、「じゃあ今から医療ドラマを子どもにたくさん見せる!」「空気読める子だから、私の希望を感じて進路を選んでくれるはず!」なんて冗談言ってましたけどね。
親が子供の将来を操るのはどうかと思うけど、大事な、本質的な部分は教えるべきじゃないかなと思っています。少なくとも私は誰かにハッキリ言ってほしかったです。頭からっぽで、自分で気付けないおバカさんだったから、「なんで何も考えないの?」って誰かに教えてもらいたかった。どうして気付かなかったんだろうと、強烈な後悔があります。
大学で好きなことを勉強して、その先どうするの?会社員になるにしたって、業種は?職種は?人事?営業?それならギリシア史を勉強するより、プレゼン学んだらという話だし、マーケティング職に就きたいなら、古典より統計学です。
娘10歳へ。
好きな道を行け。でもその先を考えながら進め。
シングルマザーベティコの大きな後悔でした~