私は娘が0歳の時から10年に渡って読み聞かせをしてきました。読み聞かせに効果があるのかと聞かれると「多分ない」と答えますが(→詳細は過去記事)、長年やってきて「これは…!」と思った本を紹介します。
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コメント欄で教えてもらった、知る人ぞ知る名作
読み聞かせに関するブログ記事はいろいろ書いてまして、その中で読者様が教えてくださったのがこの本、「はなはなみんみ物語」です。小人のお話ということで楽しいファンタジーなのかと思ったら、人間の争いについて深く考えさせられる傑作でした。
最初の50ページはガマンして読むべし
この本は、はなはな(男の子)とみんみ(女の子)の兄妹が主人公となっています。で、最初の方、イマイチよく分からないです。後で分かるんですけど、とにかく最初面白くないです(笑)
娘10歳に、夜な夜な読み聞かせをしながら、「なんかよく分かんない話だからやめとく?」と私3~4回言ったと思います。
でも娘10歳が「もうちょっと読んでみる」というので、私は最初の数日、しぶしぶ読んでました。娘が「もうちょっと読む」と言わなければ、この名作をスルーしてしまったかもしれないので、娘10歳グッジョブです。
予想外の展開が、鳥肌もの。
読み進めるうちに、かつての大戦争で、小人が魔法や武器を使って争った結果、小人がほぼ全滅したらしいということが分かってきます。作者の意図するところは、魔法「空を飛ぶ」が→戦闘飛行機。武器「いかり草」が→弾薬や核兵器でしょうか。
本当はみんなが食べるジャガイモを植えたいのに、なぜか畑一面にいかり草(核兵器)を植えることになった過去が明らかになってきます。どうして誰も止められなかったのか。どこで間違ってしまったのか。
娘10歳は作者からのメッセージを感じつつも、どちらかというとストーリーの中で活躍するキャラクターや展開に注目しながら「冒険もの」として読んでいたようです。大人の私はひたすら心が痛かったです。
「いかり草(核兵器)を使えば、勝てるわ!」に見る、人間の悲しさ
はなはなが敵につかまり、いよいよ追い詰められ、他に打つ手がないという状況になったとき、妹のみんみが泣きながら必死で言うんですよ。
「はなはなを助けるにはその方法しかない!」
「相手がいかり草を使う前に、こっちが…」
これは、心に突き刺さりましたね。切ないまでに、人間の本質を描いています。今思い出しても私泣きそうです。
大切な人を助けるためにどう行動するか。実際にその状況になった時自分はどうするのか。果たして、みんみ達は、いかり草(核兵器)を使うのか?使わずに仲間を助ける方法はあるのか?
何が正しいのか?様々な立場を見事に代弁する登場人物たち
いろんな人が出てきます。いや、小人と動物が出てきます(笑)
- 自分が牢屋から出たいために、いかり草の秘密をしゃべろうとする者
- いかり草(核兵器)を発明しそれを後悔しながらも、捨てることが出来なかった者
- 大切な人を守るためなら、武器を使ってもいいと考える、かつての戦争を経験していない者。
胸にせまってくるものがあります。続きはぜひ、本で読んでいただきたいです。娘10歳もいろんなことを考えたようです。
課題図書を図書館で借りそこなった!という人は、ぜひ、はなはなみんみ物語をどうぞ。世界中の政治家に読んでもらいたいです。ノラ子さん、素敵な本を教えていただき本当にありがとう。
子供にどんな本を読んであげたらいいか分からないという方は絵本ナビがおすすめです。子供の年齢別に本を検索できるので私も参考にしていました。