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魔法のコンパス~道なき道の歩き方~

キングコング西野さんの「魔法のコンパス~道なき道の歩き方」を読みました。私の中で西野さんのイメージと言えば、この間の横浜のリベンジ成人式。はれのひという業者が成人式当日に閉店し、振袖を着られなかった人たちのために西野さんが企画した会ですね。無料で振袖を着せてもらえてクルージングパーティに参加できるというビックリの企画。たぶん私はそれをきっかけに西野さんという人に興味を持って図書館で予約したんでしょう←あんま覚えてない(笑)!こんな出会い方をした本ですが、すご~く面白かった。何が面白かったかというと…

正論では解決できない!発想の転換が大事

ハロウィンの翌日の渋谷がゴミであふれていた時代がありました。「ゴミは持ち帰るべきだ!」とコメンテーターが正論を並べる中、「ゴミがあるからこそ出来るイベントはどうだ?」という考えで、ハロウィンの翌日に仮装して集まりゴミ拾いをする…そんなイベントを作ったのが西野さんだそう。今は普通にあるイベントですが、最初に考えた西野さんがすごい。現代のコロンブス!あ、もしかして、だからタイトルに「コンパス」って入ってるの?

外野からの「こうあるべき」を守ったところで…

西野さんは25歳の時「ひな壇芸人はやらない」という決断をしたそうです。それに対して大御所含め他の芸人たちから「カッコつけずにひな壇やればいい」と散々言われてきたらしい。でも自分の考えを貫いて唯一無二の存在(芸人であり、アーティストであり、プロデューサーであり、作家であり…)になりました。

ちなみに西野さんとしては「ひな壇では勝てないから他の分野を探す」という意味だったらしいですが、発言が独り歩きして炎上したという経緯もあるようです。

要は「芸人はこうあるべき」と思っている人からすると、その枠を出ようとする西野さんが気に入らないんでしょう。そう言われてみると、私たち母親の世界にも「母親はこうあるべき」という誰が決めたのかよく分からない枠があるじゃないですか。

でもそれを素直に守ったとしても成功するとは限らない、それが現実です。多数派の意見に乗る方がラクだし安心だけど、いつの間にかその枠自体が消えてるって可能性もありますよね?

例えばひと昔前までは「子供が3歳になるまでは母親は育児に専念すべき」みたいのがありました。まあ今も多少は聞きますけど、おそらく10年後には消え去っていると思います。その時に「いや、あの頃は三歳神話というものがあってね、ママはそれを守るために仕事を諦めたのよ。」なんて言ったところで、時間を巻き戻すことは出来ないし、三歳神話を唱えていた人が何かお詫びしてくれるわけでもない。

自分自身が三歳神話に納得してその道を選んだならいいです。でも外野からの「母親はこうあるべき」という圧力に忖度してその道を選ぶのはナンセンス!話題の忖度、ナンセンス(笑)!!

常識を疑え!前向きになれる本

お笑いの世界では「DVDは3千枚売れないと赤字になる」という常識があるらしいですが、西野さんはそれを疑って実際に確認したそうです。工場に電話して聞いてみたら、なんと制作代そのものは27万円だったんですって。何にお金がかかるって、その後の販売網に乗せること。お店で売ることを想定するなら3千枚売れないと赤字になる、という事実が分かったそうです。つまり、イベントで手売りするなら(お店で売らないなら)100枚売れる程度でも赤字にはならない!

いや~普通の人はさ、プロの人に「こういうもんですから」って言われると、「そうなんですね。」と思ってしまいます。でもその常識が本当なのか、確認してみたら意外なことが分かるんですね…!

「母親とはこうあるべき」とか「この仕事はこういうもんです」みたいな、今のところ大多数の当たり前とされていることが、本当に正しいかは分かりません。誰かにとっては正解でも、自分にとって正解かは分からないし、時代と共に世の中の価値観がひっくり返されることもあるかもしれない。

外野がワイワイ言ったって、結局その人たちは何も守ってくれないのですから、だったら自分が選んだ道を行こうよ!まさに私が思っていたことをズバリと書いてくださった本。他にも面白い視点がいろいろ書かれてますのでお薦めです。私、西野さんの他の本も読んでみようと思いました。